昨年、日本を訪れた外国人旅行者は過去最高の1973万7千人。来阪外国人旅行者数も716万人を超え、中国人観光客に代表される「爆買い」など商業施設やホテルは経済的恩恵を受ける。一方で、住民サービスやまちづくりを担う区にとって、観光施策は何をもたらすのか。関西空港からの直通電車の終着駅「なんば」にも接する、大阪の玄関口・大阪市浪速区では、「安心・安全」がキーワードになっている。
携帯タブレットを使い、観光客に区の観光案内情報を見せる職員(右) |
「Where are you from?」
先週金曜日の通天閣(浪速区恵比須東)。法被姿の浪速区職員がマレーシアからの観光客に、にこやかに話し掛け、英語版の大阪観光マップとともに、アンケートを手渡した。職員が区内の観光施設とホテルに出向き、観光客のニーズを把握する「まちなか観光案内」の試行実施だ。
■“点”を“線”に
大阪市の中心部に位置する浪速区。通天閣がある新世界や日本橋の電気街、大型複合商業施設など観光集客施設も集積する。一方で、観光客の動きは“点”であり、区内を周遊する“線”になっていないことが課題でもある。
区では、昨年3月に周辺の観光スポットも含めて紹介したガイドブックを作成。同7月には、区内の民間会社が開発した無料アプリケーション「カタポケ」でガイドブックを英語、中国語、韓国語と多言語化し、スマートフォンなどの電子機器で提供を始めた。
また、今回の試行実施に合わせて4カ国語対応の観光マップも新たに作成した。
■24時間快適
区が観光に力を入れるのは、「にぎわいづくり」だと、市民協働課の武内真一郎担当係長は話す。
市内24区で最も面積が小さい同区の人口は、約4万4900人。単身者向けのマンションが多く、毎年人口の3割が入れ替わるという。
24時間運用の関西空港と結ばれる同区は、「24時間楽しめる街にしたい」と、木津市場の朝市のほか、湊町リバープレイスでの夜市も開催した。
区に人が周遊し、にぎわいができることで「安心・安全のまちづくりが達成できるのではないか。24時間快適に楽しめるのは、安心安全であるから」と武内担当係長。今後は、地域団体と連携しながら、まちの魅力向上や集客を図り、活気につなげたいとしている。
From 大阪日日新聞
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