海外子女教育振興財団は、帰国生のための学校説明会・相談会を東京・大阪・名古屋の3会場で7月に開催する。2002年から続く同説明会は今回で13回目、3会場に220以上の教育機関が参加する予定だ。海外から一時帰国中の家族だけでなく、これから渡航する予定のある家族の来場も多いという。
帰国生のための学校説明会・相談会は、海外の異なる学習環境の中で学んできた児童生徒の帰国後の学校選択と、よりスムーズな学習・学校生活への適応を促進するために毎年開催されている。帰国子女の入学・編入学を行っている学校から具体的な学習・学校生活の情報を得ることができるのが特徴だ。
説明会の内容は、帰国生受け入れ校の担当者と直接話ができる個別相談、財団教育相談員による「帰国後の学校選択について」の講話、外国語保持などの教育相談、帰国後に高校生として大学受験を経験した大学生がパネラーとして登場するパネルディスカッションなどが用意されている。
海外子女教育振興財団によると、今回の説明会は「海外子女・帰国子女」を対象としたイベントとしては国内最大級だという。説明会は、外務省や文科省、東京都、愛知県などが後援しているほか、東京都・神奈川県・愛知県・大阪府・兵庫県などの教育委員会が参加。これらに加え、小学校から大学までの幅広い参加校・団体が帰国後の入学・編入学に対する悩みに答える。
前年の説明会では、東京・大阪・名古屋の3会場で約1,600人が来場。海外子女・帰国子女をもつ家庭を対象に実施しているが、海外から一時帰国中の家族に加え、これから海外へ渡航する予定のある家族が事前の情報収集の場として来場することも多いという。
説明会を実施するうえで意識するのは、帰国生の幅の広さだと財団の担当者は話す。帰国生は、帰国時期や海外での滞在年数、教育環境がそれぞれ異なるため、児童生徒一人ひとりの対応が必須だという。滞在国によってカリキュラムが大きく異なることに加え、現地校に通っていたか日本人学校に通っていたか、また滞在年数などにより、日本のカリキュラムへの適応能力や語学能力もさまざまだろう。特に帰国時期は、両親の仕事の都合で決まることが多く、編入に関する問合せも多いという。
海外子女教育振興財団の説明会では、さまざまな学校の受け入れ体制を学校や団体の担当者から直接聞くことで、比較検討することを可能にすると担当者は説明する。自分の子どもの海外経験を最大限にいかせる学校と環境を、広い視野と的確な情報で判断できるのが同説明会のひとつの魅力だ。
来場者からは「実際に担当の方と話をすることで、学校の雰囲気までわかった」といった声や、「元々志望校を決めていたが、あえて違う学校のお話を聞いたことで、改めて学校選びのポイントに気づいた」といった感想があるという。帰国生の受入れ側の担当者と保護者が一緒に進学先を検討する数少ない機会となっている。
◆2014年度 帰国生のための学校説明会・相談会
場所・開催日:
・名古屋(名古屋国際会議場)、7月22日(火)
・大阪(毎日新聞ビル)、7月26日(土)
・東京(国立オリンピック記念青少年総合センター)、7月30日(水)