裁判員裁判、通訳人に重い負担 短期集中型の連日審理で

制度スタートから5年を迎えた裁判員裁判。仕事などを休んで参加する裁判員のため、期間短縮を目的に審理が連日開かれるが、これが通訳人の重い負担にもなっている。疲労によって誤訳の可能性が高まり、事実認定の誤りにつながるとして、日本弁護士連合会は改善策の導入を最高裁などに求めている。

 

 「連日の開廷は、本当に心身のゆとりを奪ってしまいます」。丁海玉(チョンヘオク)さん(54)は、大阪地裁での3件の裁判員裁判で韓国語の法廷通訳を務めた。1992年以降、600以上の事件をこなしてきたが、裁判員裁判の負担はこれまでにないものだという。

 

 3件とも否認事件で、最も長かったのは初公判から判決まで10日ほどかかった。3件とも2人で通訳をしたが、公判のある日は休めない。もう1人が通訳をしている時でも誤訳防止のため、控え席でチェックし、審理の流れを追った。

 

朝日新聞Digitalより